モビリティの進化が未来を変える

スーパーシティ、スマートシティ、MaaSに適した高松市…高松市 総務局 参事 小澤孝洋氏[インタビュー]

スーパーシティ、スマートシティ、MaaSに取組む高松市について、高松市スーパーシティ準備チームリーダーの総務局参事(社会保障・税番号制度、ICT推進、業務改革推進担当)小澤孝洋氏に聞いた。

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スーパーシティ、スマートシティ、MaaSに取組む高松市について、高松市スーパーシティ準備チームリーダーの総務局参事(社会保障・税番号制度、ICT推進、業務改革推進担当)小澤孝洋氏に聞いた。

小澤氏が登壇する、1月26日開催のオンラインセミナー「会津若松・高松・福岡のスマートシティ、スーパーシティ戦略」はこちら。

◆コンパクトでモビリティネットワークもしっかりしている

---:高松市の特徴を教えてください。香川県の県庁所在地である高松市は、スマートシティやスーパーシティ、さらにはMaaSに非常に適した地域だそうですね。

小澤氏: まず非常にコンパクトであること。海に面していますが瀬戸内海は穏やかで、比較的水害の少ない地域です。中心市街地のデパート高松三越から瀬戸内海に浮かぶ女木島や男木島といった離島まで、なんと約30分で行けます。また中心市街地には、再興を遂げた商店街として有名な高松丸亀町商店街をはじめ、全国でも珍しい巨大なアーケード商店街が続きます。

次にモビリティのネットワークが充実しています。高松琴平電気鉄道(ことでん)やことでんバスが走っており、さらには高松市が独自に運営している、放置自転車を活用したレンタサイクルが随分前から市民の移動に定着しており、そのためMaaSの素地のある街として注目されています。新型コロナウィルスの流行で、私たちが再認識したことは、モビリティの重要性です。"人の移動が止まれば、経済も止まってしまう"。モビリティを高松市では非常に重視しています。

そしてスマートシティに関する3年間の取組み実績です。平成29年10月に「スマートシティたかまつ推進協議会」を設立し、民間企業、香川大学や香川高専といった地元の教育機関を含め、産学民官の数多くの方々に参画していただき、連携をとって取組んできました。2020年12月現在での会員数は98にのぼります。

◆3年間のスマートシティたかまつの実績

---:3年間大変数多くのスマートシティの事業に取組まれていますね。代表的なものをご紹介ください。

小澤氏: スマートシティたかまつプロジェクトは、平成29年度に総務省の「データ利活用型スマートシティ推進事業」に採択されたところから本格的な取組を開始しました。分野横断的なIoTデータを連携するための共通プラットフォームとして、欧州発のオープンプラットフォームである「FIWARE」を日本で最初に導入し、先ほどご紹介しました協議会を中心に、防災・観光・福祉・交通・健康・行政など、様々な分野での取組を進めてきております。

例えば防災分野では、水位・潮位センサーを市の水防計画上の観測地点に設置し、カメラ画像や避難所の通電情報、県が公開している降水量等のオープンデータと併せて、ダッシュボード上でリアルタイムに見える化することにより、職員が現場に足を運び目視確認することなく、迅速かつ安全な防災対策に取り組むことができるようになりました。また、今年度より、高松市のプラットフォームを周辺の市町(綾川町・観音寺市)と広域で共同利用する仕組みが既に実現しています。これは全国初の取組みかと思います。

◆スマートシティのセカンドステージとしてのスーパーシティ

---:高松市もスーパーシティにチャレンジされるようですね

小澤氏:スマートシティたかまつのセカンドステージとして、高松市においても「スーパーシティ」構想への提案にチャレンジすることとなりました。

スーパーシティの実現に当たっては、これまでの行政の考え方から大きく転換し、前例や現行制度、組織の縦割りにとらわれず、抜本的な改革を行うようなアイデアを提案する必要があります。そのためには、全庁横断的な検討が必要と考え、2020年11月6日に高松市スーパーシティ準備チームの結成を行いました。リーダーは私が務めます。サブリーダーはICT推進室長、メンバーは課長補佐級以下の庁内公募により選定された14名の職員です。これまでの行政のやり方から”脱皮する”ことをテーマに掲げて、チームの愛称を「高松DAPPY(ダッピー)」にしました。(DAPPY = Digital Alliance which is Potential, Powerful and Youthful)

----:デジタル改革担当大臣の平井卓也氏も香川県が地元でしたね。

「スマートシティ」と「スーパーシティ」は似ていますが、違いは何だと捉えていらっしゃいますか。

小澤氏:国の進める「スーパーシティ」構想と、これまで本市の行ってきた「スマートシティ」の目指す社会像は同じものだと考えています。スマートシティの延長線上において、さらに高度化した社会像を実現するため、国家戦略特区の仕組みを活用し、障壁となる規制などがあれば壊していきながら、分野横断的なまちづくりを進めていくのが、「スーパーシティ」構想ではないかと思います。

今回、チームメンバーで2か月間、毎週集まって議論を重ね、高松市の強み・特徴を踏まえ、スマートシティ・スーパーシティとしてどのような都市像を目指すべきなのか、じっくり検討を行ってきました。

この度のコロナ禍の社会において、「人の移動」が大きく制限された結果、経済活動にも多大な影響がありましたが、それだけではなく人の生活そのものや、人の心にまで大きなダメージを及ぼしました。人が行きたいところに移動する、という行為そのものが、根源的な幸せにつながるのだと改めて実感しました。
先ほどご紹介した通り、高松市は交通の面で恵まれた地理環境にあると考えています。この環境を強みにして、ひとが自分の生きたいところに行くことができ、どこにいてもあらゆるサービスを受けることのできるまちを作ることが、目指すべき都市像ではないかと考えました。

これを、「フリーアドレス都市 たかまつ」と名付け、今回のキーコンセプトに据えています。この都市像の実現を目指し、交通を核とした取組を進めていきたいと思います。

小澤氏が登壇する、1月26日開催のオンラインセミナー「会津若松・高松・福岡のスマートシティ、スーパーシティ戦略」はこちら。
《楠田悦子》

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