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燃料電池バスが自動車の動力源を完全に変える、米ゼロ・エミッションツアーの内容とは

スターク郡を拠点とするSARTAは、2021年6月4日に「バスレンタルのゼロ・エミッションツアー(Borrow a Bus Zero-Emission Tour)」を再開したと発表した。

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燃料電池バスが自動車の動力源を完全に変える、米ゼロ・エミッションツアーの内容とは
  • 燃料電池バスが自動車の動力源を完全に変える、米ゼロ・エミッションツアーの内容とは

スターク郡(米国オハイオ州の北東部)を拠点とするSARTA(スターク地区地域交通局)は、2021年6月4日に「バスレンタルのゼロ・エミッションツアー(Borrow a Bus Zero-Emission Tour)」を再開したと発表した。

このゼロ・エミッションツアーは、SARTAが保有する最先端の水素燃料電池バス(FCバス)がカリフォルニア州内の8か所を1週間にわたってツアーするというもので、交通サービス業界関係者や政府関係者などの参加が想定されている。参加者は、用意されたバスを実際に運転するだけでなく、航続可能距離・信頼性・安全性などの性能データを確認することができ、SARTAが提供する「バスレンタル(Borrow a Bus、略称BaB)」プログラムの採用をじっくりと検討することができる内容となっている。

このBaBプログラムは、顧客に対して大型輸送バスの最適なソリューションを提供するエルドラド・ナショナル・カリフォルニア(ElDorado National California、略記ENC)社がサポートしている。同社はREVグループ(米国の特殊車両パーツ・メーカー)の子会社であり、45年以上にわたって公共交通機関、空港、駐車場、大学向けに低床および標準床のバスを製造・販売している。今回のツアーに用意される水素バスは、3点式シートベルトの連邦政府認定を受けた業界唯一の水素バスだという。

このツアーは他にも、バスディーラーであるクリエイティブ・バス・セールス(Creative Bus Sales)社、バスの制御システムを製造するBAEシステムズ(BAE Systems)社、バスの水素燃料電池を製造するバラード・パワー・システムズ(Ballard Power Systems)社からも支援を受けている。

SARTAのCEOであるカート・コンラッド氏は、この革新的なゼロエミッション技術の認知度を高め、支持を得るために「Borrow a Bus」を企画したという。コンラッド氏は、「政策立案者やメディアを含め、ほとんどの米国人は燃料電池がどのようなもので、どのように機能するのかを知りません。米国国内の道路や高速道路で、FCバスを見て、学んで、操作する機会を提供することは、FCバスが米国や世界中の自動車の動力源を完全に変える可能性があることを示す最も効果的な方法である」と話す。

加えて「SARTAは過去10年間、FCバスをスターク郡のあらゆる気象条件の下で運行しながら収集した何十万マイルもの実際の走行データを保有している。これらのデータはFCバスが電気自動車(EV)バスよりもはるかに長い航続距離を実現し、より信頼性が高く、手頃な価格で運行でき、大気中の何トンもの汚染物質を除去することができること、そして恐らく運用面で最も重要なことは、燃料補給(給油)にかかる時間がわずか数分であることを示す。これらのことから、水素は交通機関における最高の代替燃料ソリューション(改善策)であるということが明白に結論づけられる」とする。

BaBツアーは最初に2019年にサウスカロライナ州コロンビアのセントラルミッドランズ交通局で実施されて以来、ワシントンDC、バージニア州アレクサンドリア、シカゴ、イリノイ州ポートランド、ワシントン州シアトル、タンパ、フォートローダーデール、フロリダ州オーランド、ミシガン州ランシング、ニュージャージー州ニューブランズウィックを訪問してきた。このユニークなプログラムは、各訪問先で多くのメディアに取り上げられただけでなく、2020年には企業のグリーン輸送投資、製品、およびアクションを賞するカルスタート・ブルースカイ賞を受賞した。

《Gilbert》

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