モビリティの進化が未来を変える

トヨタ、車載電池開発は電動車に合わせたフルラインナップ作戦

トヨタ自動車は9月7日、カーボンニュートラル実現に向けた電池の開発と供給に関するオンライン説明会を開催。そのなかで前田昌彦CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)は、今後も車載電池は電動車に合わせてフルラインナップで開発・製造していく方針を示した。

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トヨタ自動車は9月7日、カーボンニュートラル実現に向けた電池の開発と供給に関するオンライン説明会を開催。そのなかで前田昌彦CTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)は、今後も車載電池は電動車に合わせてフルラインナップで開発・製造していく方針を示した。

「エネルギー事情が違えば、CO2排出量を削減する選択肢も異なるのでカーボンニュートラルの達成に向けて選択肢が広がるように、さまざまな方策にトライを続けていく。このような視点に立ち、トヨタは電動車両をフルラインナップで準備している。それぞれの地域においてお客さまの利便性を考慮しつつ、CO2排出量を削減するサステナブル&プラクティカルな商品を提供したいと考えている」と前田CTOは説明する。

主要欧州メーカーのように電気自動車(BEV)一辺倒ではなく、再生可能エネルギーがこれから普及していく地域ではハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、一方で再生エネルギーが豊富な地域ではBEVや燃料電池車(FCEV)などのゼロエミッションヴィークル(ZEV)がCO2削減に効果的だとトヨタは考えている。

車載電池についても、それぞれの電動車の特性に合わせた電池の開発を進めている。例えば、HEVは瞬発力を重視した電池、一方、PHEVやBEVは持久力を重視した電池という具合だ。

「HEV用電池として、ニッケル水素電池とリチウムイオン電池をそれぞれの特徴を生かして継続的に進化させてきた。今年発表した、瞬発力を重視したバイポーラ型ニッケル水素電池も今後搭載車種を拡大していく。また、PHEV・BEV用のリチウムイオン電池は今までもコストと持久力の両立を図ってきて、今後も継続的に改良していく。2020年代後半には、さらに進化させた新型リチウムイオン電池をお届けするべく開発を行っている」と前田CTOは話す。

また、全固体電池については、昨年6月にそれを搭載した試験車両を製作しテストコースで走行試験を実施し、8月には車両ナンバーを取得してさらに走行試験を続けているそうだ。その試験で分かったのは、全固体電池はイオンが電池の中を高速で動くので高出力化が期待できるが、寿命が短いということが分かったという。そこで、この課題を解決するために材料開発を継続していき、計画通り20年代前半に全固体電池車の完成を目指す。

「トヨタが最も大事にしていることは、お客さまに安心して使っていただくことで、安全・長寿命・高品質・良品廉価・高性能という5つの要素をいかに高次元でバランスさせるかということを重視している」と前田CTOは説明し、電池に関してさまざまな試験を行っているとのことだ。

トヨタは車載電池に2030年までに1兆5000億円を投資する方針で、うち1兆円で生産能力を現在の33倍の200GWhに増やす。また、車両1台当たりの電池コストについても、2020年代後半までに現在の半分に低減する計画だ。

「クルマと電池を連携して開発していることがトヨタの強み」とは前田CTOの弁だが、電池メーカーとどのように競争と協調をしていくのか要注目だ。
《山田清志》

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